長野市七瀬に暮らすNagano City Nanase areaguide

将来的な発展にも期待が持てる、整備事業できれいになった「長野」駅東口エリアをレポート

長野市は、国宝「善光寺」の門前町にはじまり、北国街道の宿場町として栄えてきたエリアです。1998(平成10)年に開催された「長野冬季オリンピック・パラリンピック」開催を契機に、新幹線や高速交通網などが整備されました。

今回は2017(平成29)年に策定された「長野市中心市街地活性化プラン」をもとに“行きたくなるまち”“住みたくなるまち”を目標を掲げて都市の再生に取り組む長野市のなかでも、今回は特に、整備事業によって、道路や歩道、公園など暮らしの環境がより快適になった「長野」駅東口エリアを中心にレポートします。

「長野」駅東口エリアの街並み
「長野」駅東口エリアの街並み

国宝「善光寺」の門前町として栄えた長野市

長野市は、長野県の北信地方に位置する県内最大の都市で、長野県の県庁所在地です。日本最長の大河「千曲川(信濃川)」と、その支川である「犀川」によって形成された「長野盆地(善光寺平)」を中心に立地しています。南北に約42km、東西に約37km延びる地形で、総面積835平方キロメートルあり、「中核市」に指定された市のなかでは6番目に広い面積を誇ります。

飛鳥時代に創建されたといわれる、国宝「善光寺」は長野市のシンボル的存在。現在も「善光寺」には年間600万人、7年に一度執り行われる盛儀「善光寺前立本尊開帳」時期の4月〜5月には、2ヶ月で700万人もの参拝者が訪れています。また1998(平成10)年2月に開催された「長野冬季オリンピック」開催以後は、記念イベントとして「長野マラソン」や「長野灯明まつり」が開催されています。

善光寺中央通り
善光寺中央通り

「長野」駅前(東口)
「長野」駅前(東口)


「長野」駅東口エリアの開発に至った経緯

長野市の市街地は、「善光寺」の門前町として古くから栄えてきた街です。その中でも「長野」駅東口エリアは、その立地の良さから高度経済成長期時代に急速な市街化が進んだ結果、狭隘な道路沿いに老朽化した木造の建物が密集したり、広場や公園などの整備が遅れ、生活環境の低下や防災面で懸念などが高まっていました。

そのような課題を解消するため、1964(昭和39)年に「長野」駅周辺地区密集市街地都市改造構想に基づく土地区画整理事業によるまちづくりの研究が開始され、「長野」駅善光寺口と東口の再開発整備基本構想が策定されました。そして1993(平成5)年12月には、東口を中心とした「長野」駅周辺第二土地区画整理事業の着工となりました。

昭和50年代前半の「長野」駅周辺/提供:長野市都市整備部都市再生グループ
昭和50年代前半の「長野」駅周辺/提供:長野市都市整備部都市再生グループ

「長野」駅周辺第二土地区画設計図/提供:長野市都市整備部都市再生グループ
「長野」駅周辺第二土地区画設計図/提供:長野市都市整備部都市再生グループ


国際的なスポーツの祭典や北陸新幹線の開業によって急速に駅周辺の整備が進む

1991 (平成3)年に長野県は「第18回オリンピック冬季競技大会」の開催が決定し、開催年である1998(平成10)年2月に向けて、国際都市「NAGANO」としての形成が急ピッチで進みました。

東口駅前広場
東口駅前広場

長野」駅東西自由通路
長野」駅東西自由通路


1997(平成9)年の長野新幹線(現 北陸新幹線)開業をはじめ、高速交通網等の交通アクセスの整備、都市環境の整備が進み、「長野」駅の東西をつなぐ「長野駅東西自由通路」や、ペデストリアンデッキ直結の新しい商店街「ユメリア通り」のほか、「東横INN 長野駅東口」、「天然温泉 ホテルリブマックスPREMIUM 長野駅前」など駅周辺のビジネスホテルが次々に開業し、買い物に便利な商業ビルも建設されました。

ぺデストリアンデッキ
ぺデストリアンデッキ

駅東口側の街並み
駅東口側の街並み


中心市街地の活性化事業

長野市の中心市街地一帯を整備していくなかで、「長野」駅、「善光寺」を中心とした216ヘクタール範囲を、2007(平成19)年4月から2017(平成29)年3月まで、総理大臣認定よる第一期・二期市街地活性化に着手を開始し、都市型住宅の供給、市街地の魅力向上事業などを地域一丸となっておこなった結果、少子高齢化などによる総人口の減少幅が縮小し、活気を取り戻します。

また、2014(平成26)年には「長野」駅東口バス待機場整備により、「ユメリアバスパーク」が利用開始になり、東口エリア住民の交通利便性が向上します。そのほか、郊外の観光地へ向かう観光バスや送迎バスなどの乗降場・待機場、広場をはじめ、駅からの案内看板等を整備し、観光の拠点としての役割を強化しました。

「長野駅東口公園」
「長野駅東口公園」

各地へ向かう大型バスが集まる「ユメリアバスパーク」
各地へ向かう大型バスが集まる「ユメリアバスパーク」


区画整理事業により変化した現在の「長野」駅東口

1993(平成5)年度~2023(令和5)年度という長い時間をかけた「長野駅周辺第二土地区画整理事業」によって、緑鮮やかな芝生が広がるオープンスペースの公園「長野駅東口公園」や、2016(平成28)年に住宅街につくられた屋根つきベンチのある「七瀬西公園」など、「長野」駅の東口周辺の道路や公園が整備されました。

近くに住む方々に憩いの「七瀬西公園」
近くに住む方々に憩いの「七瀬西公園」

栗田緑地帯
栗田緑地帯


また、「長野駅東口交差点」と「長野駅東口公園前交差点」の間で、長さ約100m 幅約30mの中央分離帯は、水に親しみながら散策できる緑地帯(栗田緑地帯)として整備されています。水辺の周りの歩道を歩くことができるので、訪れた際にはぜひ散策してみてください。(※水が流れる時期は4月上旬から11月中旬まで)

この整備事業は、第一期・第二期長野市中心市街地活性化基本計画を継承する形で、第三期長野市中心市街地活性化基本計画の認定を受け、2025(令和7)年まで延長となりました。
以上のような長野市の中心地が長年に渡って整備されてきたなかで、東口周辺には住居用マンションも昨今増えてきています。

長野駅周辺第二土地区画整理事業によって整備された道路
長野駅周辺第二土地区画整理事業によって整備された道路

長野駅周辺第二土地区画整理事業によって自転車や歩行者も歩きやすい道へ
長野駅周辺第二土地区画整理事業によって自転車や歩行者も歩きやすい道へ


近くに住む方々の憩いの場でもある「長野駅東口公園

「長野」駅東口エリアの整備の中で、特に注目したいのが2019(令和元)年に開園した「長野駅東口公園」。

近くに住む方々の憩いの場として、デザイン性に富んだシェードのあるベンチもあるので、天気の良い日に読書をしに訪れてみるのもよさそうです。そして、広々とした芝生広場ではイベントも開催することで注目を集めています。

また、東口周辺の歩道や道路が広くなり、「善光寺」に向かう東口から西口に抜ける高架下の道路が完成したことで、課題になっていた渋滞も解消され利便性が大幅に向上しました。

イベントが不定期に開催される「長野駅東口公園」
イベントが不定期に開催される「長野駅東口公園」

駅東側から善光寺に向かう高架道路
駅東側から善光寺に向かう高架道路


いかがでしたでしょうか。「長野」駅東口エリアは、時代の求めに応じて利便性が向上し、今もなお続く区画整理事業によって、歩行者や自転車用の道路が拡張されるなど、近くに住む方々が快適に過ごせる街へと進化していることがわかりました。東口以外でも「長野」駅周辺では、活気やにぎわいを創出しようとイベントなども不定期に開催されており、活気づく街並みを感じることができました。


発見ポイント!

緑と水の潤いを感じながら休憩できるベンチも(栗田緑地帯)
緑と水の潤いを感じながら休憩できるベンチも(栗田緑地帯)

  • (1)昭和から令和にかけ、東口の整備事業が進んでいる
  • (2)活性化施策に積極的でにぎわいが創出されている
  • (3)将来的な「長野」駅東口の発展に期待ができる

将来的な発展にも期待が持てる、整備事業できれいになった「長野」駅東口エリアをレポート
所在地:長野県長野市 

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